アウトドアーズの海成と、ネクサスドリーマーズの築山 諒真のシングルマッチ。
私が1つの試合の生成絵を少しずつ長期間に渡って公開する企画がありまして、
その後に立板三 様から絵に合わせた小説をご提供いただいた作品になります。
一部、フィクションな内容も含まれており、ファイプロの興行やストーリーと異なる点もございます。
※絵はAI生成です。小説はAI生成ではありません。
第六十一幕:勝負にでる海成
【諒】「あ、あうぅ……」
苦悶の色を浮かべる諒真の姿を見下ろし、海成は不敵な笑みを浮かべながら挑発的に声を上げた。

【海】「そろそろ、楽にしてやるぜ!」
【海】(ダウンしてくれて助かった……これでフィニッシャーを決められる。ここで終わらせるしかねぇ!)
海成は確信していた。ボディアタックこそが、この試合のフィニッシュを飾る最適な一撃だと。
疲労の色が濃くなる自身の体力を考えれば、このチャンスは逃すわけにはいかない。
【実】「おっと! 海成が今、明らかにフィニッシュを狙っている! 観客もその気配を察してか、場内の空気が張り詰めています!」
【解】「ええ、海成は試合を終わらせるために、狙いを絞りました。スタミナ的にも体力的にも限界に近い今、この攻撃は必然と言えるでしょう」
【観】「行けーっ! 海成ーっ!!」
【観】「リョーマ、踏ん張れーっ!!」
海成はリング中央に歩を進め、ゆっくりと呼吸を整える。視線の先には、まだ膝を抱えて苦しむ諒真の姿。互いの呼吸が、リング上の緊迫した空気をさらに深めていく。
【海】(ここで決める……終わらせる……!)
第六十二幕:諒真の策

観客席からはどよめきが起こる。
諒真がダウンしたまま動けないと判断すると、海成は荒い息をつきながらロープに手をかけ、コーナーへと登り始めた。
【観】「おおっ、海成がトップに上がるぞ!」
【観】「まさか、またボディアタックか!?」
だが、これは諒真の仕掛けた罠だった。
実は諒真は、海成の攻撃を受けながらもスタミナの回復を密かに進めていたのである。
【諒】(よし……海成は引っかかったな)
諒真は目を閉じて意識を失ったように装いながら、薄目で海成の動きを追っていた。
視線の先には、案の定、トップロープに上がっていく海成の姿があった。
どうやら再びフライングボディアタックを仕掛けてくるつもりらしい。
【諒】(甘いよ海成。そんな二番煎じが僕に通用すると思っていたら大間違いだからな)
諒真は海成に気付かれないよう、そっと足をずらしながら体勢を整え、反撃の準備を開始する。
リング上には、一触即発の空気が漂い始めていた。
第六十三幕:飛行技の行方
しかし、海成がコーナーポストから跳躍する、そのわずかな隙を突いて諒真が必死に立ち上がった。
【海】(げ……! リョーマの奴、起き上がりやがった!! でも、まだフラついている……いけるか? ……ええい、男は度胸だ!!)
海成は驚きを一瞬押し込め、決意を固めた。視線は諒真に注がれ、そのままリング上空へと体を投げ出す。

【実】「おっと、海成が躊躇なく飛んだ! まさに果敢、ダイビングボディアタックだ!」
【解】「高さと角度、両方がそろった完璧な飛び込みです。これは観客にも強烈なインパクトを与えるでしょう」
【観】「うおぉぉーっ!!」
【観】「決まれーっ!!」
場内が歓声と緊張に包まれる。
海成の身体はまるで空気を切り裂くかのように、鋭く落下していった。
第六十四幕:hug
飛来した海成の体は、だがしかし、諒真の怪力でがっしりとキャッチされてしまった。

【海】(え? 俺、ひょっとしてリョーマに抱き留められちゃった?)
【諒】(え? 僕、ひょっとして海成を抱きしめちゃってる?)
まるでジャンプしてきた花嫁(海成)をがっしりと力強く受け止める花婿(築山)――そんなカップルシーンを思わせる構図に、会場は一瞬静まり返ったのち、爆笑の渦に包まれた。
【観】「えええ!? 抱きしめてる!?」
【観】「ちょっとラブコメかよ!」
【観】「BLシーンきたぁぁぁぁぁぁ!!」
【実】「こ、これは……まるで結婚式のワンシーン!」
【解】「あ、あはは……これは偶然ですが、思わず笑ってしまいますね」
海成も諒真も、まさかの状況に一瞬固まってしまう。
観客の笑い声と冷やかしの歓声が飛び交い、リング上は異様な盛り上がりを見せていた。
【観】「リョーマ! しっかり抱いてやれー!」
【観】「海成ー! お幸せにー!」
戸惑いながらも、諒真は慌てて現実に引き戻される。
【諒】「ち、違います! これは不慮の事故……じゃなかった、試合なんです!! 試合中、たまたま起きてしまったことなんです!!!」
【海】「そ、そうだ、そうだよな、リョーマ!!」
このままでは、自分たちはリングで結ばれたカップルにされてしまう。
自分の頭の中に沸き上がってくるそんな恐るべきイメージに、恐怖で顔を青ざめさせる海成に、会場の冷やかしに反論しながらウンウンと必死に頷く諒真。
【実】「笑いから一転! さあ築山、本来の怪力を発揮するか!」
【解】「はい、ここからが本番です。コミカルに見えましたが、ここからが勝負どころですよ!」
第六十五幕:ベアハッグ
【海】(え、やだ……今、なんか胸がきゅんと……って違う違う! 試合だ、試合だ。相手は筋肉バカのリョーマだぞ。なんでこいつ相手に胸きゅんしてんだ、俺!!!)
【諒】(な、なんか今、胸の中で変な気持ちが……。……海成を真正面から受け止めたせいかな? ……とにかくここは、アレしかない!)
そのまま両腕を強烈に締め上げ、諒真は即席のベアハッグに移行する。

【海】(いくらなんでも抱きしめすぎだろ!! ば、馬鹿、愛が重い……じゃなかった、きつすぎるぅぅぅ!!)
【諒】「ぬおおおおおっ!!」
【海】「うぎぎぎぎぎぎぎ!!!」
諒真の剛腕から生み出される強烈な圧力により、海成の胴体は容赦なく締め上げられ、顔が苦痛に歪む。
会場は驚きと歓声に包まれた。
【実】「な、なんと! 築山が空中の海成をキャッチして、そのままベアハッグに移行だ!」
【解】「ええ、普通ならキャッチするだけで限界ですが、そこから絞め技につなげるのは築山ならではの怪力。これは大きなダメージになりますよ!」
【観】「おおおおお!! え、抱き潰しに入った!?」
【観】「いやいや、これプロポーズじゃなくて拷問だから!」
【観】「リョーマの愛は重いぞー!!」
コミカルに見える一幕だったが、その実、怪力でのベアハッグは呼吸を奪う致命的な攻撃。海成の動きはみるみる鈍り、会場の笑いは悲鳴混じりの声援に変わっていった。
【実】「これは珍しい! 築山のベアハッグだ!」
【解】「普段はまず見せない技です。力尽くの即興技ですね!」
後のインタビューで諒真はこう語った――「普段はやらない技だけど、偶然そういう形になったから思い付いてやってみた」。
ちなみに、その後のインタビューで「海成選手とのご入籍はいつ頃のご予定でしょうか?」との質問には、顔を真っ赤にして「そんな予定はありません!!!」と言い切り、その場を走り去ったという。
第六十六幕:闘いは次の段階へ
しかし、腕の痛みとスタミナの限界に達した諒真は、それ以上攻撃を続けることができず、海成を解放する。
力尽きた海成は足元にぐったりと崩れ落ち、ダウンカウントが始まった。

【実】「カウントが入る! 海成、立ち上がれるか!?」
【海】(マジ、やべぇな……今日…何度も限界かもって…思ったけど…これが本当の限界かもな……。でも、リョーマも…同じような状態か)
海成が頭だけ起こして諒真に目を向けると、彼もまた肩で荒く息をつき、体力の回復を図っている。お互いに体力の余裕はほとんどないらしい。
【海】(よっしゃ……もう一戦、いくか……! お前も俺も…まだ燃え尽きちゃいないはずだよな!)
第六十七幕:意地の張り合い
【海】「はぁっはぁっはぁ……!」
【諒】「ふぅっふぅっふぅ……!」
海成も諒真も消耗は激しく、お互いに攻め込む余裕はない。二人は膝をつき、息を荒げながら何とか自分の体を支える。
カウントが7まで進んだところで、海成が必死に膝立ちとなり、諒真に向かって歩を進める。
諒真も負けじと立ち上がり、互いに這うようにしてリング中央でぶつかり合う。
二人はフラフラのまま額を突き合わせ、意地の張り合いに突入する。

【観】「すげぇ……立ってるだけで精一杯なのに、まだ殴り合おうとしてる!」
第六十八幕:打ち合い
やがて両者は膝をついたまま、互いに打撃を繰り出し合う。拳がぶつかるたびに観客席から歓声とどよめきが巻き起こる。
【海】「がっ……!」
【諒】「ぐっ……!」
しかし、膝をついた状態では全身の力を込めることはできない。両者とも打撃の応酬を続けるが、このままでは相手のダウンを奪うことは到底できそうにない。
そこで海成と諒真は互いに立ち上がり、立ったままの打撃合戦へと移行する。拳がぶつかるたび、リング上には火花が散るかのような緊張感が漂った。

【実】「壮絶な打ち合いだ! 一発でもくらったら倒れるかもしれない両者、まだまだ譲らない!」
【解】「その通りです。互いの打撃は一歩も引かず、限界ギリギリの戦い。観客も息を呑んで見守っています!」
第六十九幕:エルボーストライク
【海】「これならどうだぁ!!」
先に海成が動く。渾身の力を込めて、強烈なエルボーを諒真の顔面に叩き込んだ。

【実】「出たーっ! 海成のエルボー!!」
【解】「真正面からの打撃勝負! リスクは大きいですが、海成は一歩も引く気がありません!」
観客席から大きなどよめきが起こる。海成の全身から吹き出す汗が飛び散り、打撃の重さを雄弁に物語っていた。
第七十幕:立ち上がる諒真
【諒】「ふぐぅ!!」
海成のエルボーによるあまりの衝撃に、コーナーポストまで弾き飛ばされる諒真。
【諒】(さ、さすが……海成のエルボーはすごい! だけど……この程度でやられるものか!!)
戦えば戦うほど、諒真の心の中にふつふつと海成に対する怒りが生まれ、それが原動力となり、戦う気力へとつながっていく。
諒真は歯を食いしばり、コーナーからゆっくりと立ち上がると、その眼光で海成を射抜いた。

【実】「立った! 築山が立ち上がったぁ!」
【解】「倒されるたびに立ち上がる……怒りすら力に変えているようです。これは厄介ですよ!」
諒真は大きく息を吐き、力強くリングを踏み鳴らすと、再び海成に向かって突進し、反撃の一撃を繰り出していった。